昨年夏に「ペンギン・ハイウェイ」のアニメ映画を観てから、
色々気になってしまい、映画で描かれなかった設定を求めて原作を購入。
映画は、夏休み期間だったこともあり、子連れのお母さんを見かけました。
観始めてからすぐ、子供向けの作品ではないから飽きてしまうだろうな、と…。
ジブリのような雰囲気のある、写実的で、子供が主役だから、
子供向け映画と勘違いしたお母さんも多かったのでは…。
さて、だいぶ時間がかかってしまいましたが、原作も読み終わりました。
映画を観た時は、SF色が全面的に出ている作品だなぁと思っていましたが、
原作を読んだ感想はちょっと違います。
この作品の根幹はアオヤマくんの『愛』でした。
子供らしくないアオヤマくんの独白ですが、森見さんっぽいなーと。
(ほぼ同時に「有頂天家族」も読んでいたので…)
アオヤマくんが小学生だから、遠回しに、
でもいろんな角度から、何度もお姉さんへの『愛』を語る物語。
あまりにアオヤマくんが大人びていて、ちょっと感情移入しづらい時もあったので、
最後の切なさまでに持っていくためのエピソードがもうちょっとあれば…!
お姉さんと二人で海に行こうとして、結局行けなかったシーンとか、
普通に考えたら切なさの極みじゃないですか?
わりとあっさり終わってしまったような気がして、
それがアオヤマくんらしい描写でもあるんですが、
もう少し厚めに描いてくれてもよかったのに…などと。
それから、映画では原作の重要なシーンがなかったり、異なったりしていました。
スズキくんが時間飛行する話は映画にはなかったですし、
アオヤマくんのお父さんがかなり核心をついている台詞を話しているのですが、
映画では少し軽減されていたように思います。
こういったSF設定を補完するシーンがないことで、映画の後味の悪さというか、
「もっと説明してほしい!」という不満が出てしまったのかもしれません。
そのおかげで「原作を読みたい」と思えたので、よかったのですが!
きっと、アオヤマくんはもっともっと勉強して、大人になってえらい学者になって
えらい研究をして、世界の成り立ちを追うことでお姉さんを追い続けるんだろうな、
と想像してしまいます。
明るい未来だといいな。
映画を観終わった時も思いましたが、
原作を最後まで読んでから、改めて宇多田ヒカルの「Good Night」を聞くと、
アオヤマくんの曲だな~としみじみ。
タイトルに「ぐんない」を持ってくるのも、なかなか。
ペンギン・ハイウェイが出版されたのは2010年なんですよね。
個人的にこの半年くらいで、ブラックホールというか、世界の端というか、
宇宙をギミックに使った作品をたくさん読んだり観たりしたので、
なんかトレンドでも来てるのかな?なんて思ってたのですが
とんでもない勘違いでした。
恥ずかしいっ
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